いいもの。
もの作りをしていると、いいものとは何かを考える事があります。
自分の思ういいものには、必ず技術の裏付けが必要です。
企画、生地、加工、パターン、縫製、全ていいと思えるものには、卓越した技術が必要です。
では、素晴らしい技術で作った生地で、素晴らしい技術を持った人が作るものはいいものなのか。
デザインの部分は好きか嫌いかで判断されやすいので、それはさておき、出来上がったものはいいものだと思います。
また、新しい事を常に考えて来た人の作るものには「あじ」が出てきます。
最近では技術の先にしかない「あじ」を、素人の作るものに「あじ」がありいいものだと表現する事に違和感を覚えます。
簡単に考え、簡単に消費することが主流になっている今の時代。
真剣に考え、真剣に選ぶ事で、ものの見え方が変ってくるように思います。
自分は技術向上の意識を持ち続け、いいものを作れる体制をこれからも模索していきたいと思います。
作 / 山内
「ある程度専門的に勉強した人でないと、市場に出回っている服のレベルが分からない。
だから消費者の選択基準はカワイイかどうか、好きか嫌いかだけになってしまう。
ファッションは本来、精神活動に利用してもらうものなのに、みんなが同じ物を持つ事になってしまう。
日本のファッションが抱えている不幸です。」- 山本耀司
「若い人たちが、考えたり作ったりする楽しみや、必要性を忘れて行く事が心配なのです。
たとえば、ジーンズ1本が何百円なんてあり得ない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、
安い服を着ていていいのか。いいものには、人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。
いいものは高いという価値観も残ってほしいのです。」- 川久保玲