リミテッドイベント始まります。
こんにちは、知美です。
昨年の夏に大盛り上がりをした、お待ちかねの "リミテッドイベント" が5月27日(土曜日)よりスタートします。
さて、どんなモノが出来上がるのか・・・。
今回は「縫製現場」に密着しました。
お母さんが作る家庭料理とは違う "プロの味" のように、
お母さんが縫ってくれた雑巾や巾着とは違う "プロの縫い" ・・・。
何が違うのか。
一回切りなら、面倒な仕様に挑戦する。
これは学生時代に皆さん何らかの思い出があったりしませんか?
プロは、10回目でも100回目でも1000回目でも1万回目だろうと、同じ気持ちで同じクオリティーを維持しようとする。
そして綺麗に仕上がったとしても、更なる向上心を持つ。
これがプロ意識だと思うのです。
綺麗に作ろう。
これに意識を向け毎日40年続ける。そして今も縫う。
この日々の積み重ねに安心感と安定感と絶対的に任せたい気持ちが生まれ、どこか依頼側が負けを認めて「仕事」となるのではないかと感じる事があります。
お母さんは、上手くなくても頑張っている姿が愛おしい。
うますぎない方が情緒がある気もします。
常に完璧でない。だからいい。
現代では裏の顔を見つけると面白がって匿名で流したり、ネット社会だからこそ一人一人に委ねられているものは多いはずです。
個性個性と言われながら、才能だけでは食べていけない。言っていることとやっていることが逆で、昔の方が単純明快。今の方が複雑に入り組んだ時代だと私は感じます。
それでも一生懸命やり続ける。
その姿に今も昔も心を動かされるのです。
以前からお世話になっており、縫製責任者のタグでご存知の方も多い「水出千代子」さんは、今の時代にマッチした物腰の柔らかい方で、周りの若い縫製師さんとのコミュニケーションもとてもソフトな印象を受けました。
これからの時代に残る職人さんの姿を体現されているような方です。
年齢を重ねると、誰も忠告してくれない。
7年前のブログにも書きましたが、人間力のある人が技術を身に付け、スキルアップするから人のために使えるし、人から喜ばれてこそ認められるのだと。
今でも考えは変わっていません。
デザイナーを筆頭に、人で繋がる「チーム山内」。
イベントとしては7日間の開催ですが 、バトンが一周する様子が感じていただける日になれば嬉しく思います。
その他、企みもありますが、お越しいただけた方の特権とします。
現代では、足を運ばなくても、行った気になるほど情報量が多く出回ったりすることもあるかと思いますが、ギャラリーショップでは生の ”ライブ感" を大切にしたい場所であり空間です。
「行こう!」そう思っていただいた方が得をしないといけないと思っています。
ビジネス書には絶対的に特典で呼び込むべし!・・と書いてありそうなのでタブーを侵すことになってしまいますが、当日のワクワク感を胸に、情報が無いことで五感を働かせ楽しんでいただけたらと思います。
意地悪に感じてしまったらごめんなさい。
着々と準備は進んでいるので、本当に早く言いたくて仕方のない気持ちは山々ですが、こちらの製作風景動画をヒントにイメージを膨らませてください。
デッドストックの生地を10種類ご用意して、シャツ・パンツをお作りしました。
「ちょうどいい!」「結局これになっちゃう!」そんな風に後から笑顔が溢れるアイテムをご用意しています。
また少し肌寒くなり、これも私の中で計算済みですよ。
公式webサイトにこれまで掲載しておりました着用写真は、きちんとボタンが留められた正統派スタイルでしたが、instagramの方に先日アップさせていただいた着用イメージは、よりリアルにシャツを羽織りとして前を開けたスタイリングだったり、袖まくりをしたような等身大の季節の変わり目を捉えた着方となっています。
また、夏に向けて欠かせないものは「Tシャツ」です。
1枚で着用することも増えますので、サイズ感の違いをsize.2~size.5を、同じモデルで比較したものも追加で掲載いたしました。(white参照)
是非参考にしていただけたらと思います。
モノ作りは人生そのもののように、上手くはいきません。
その中でも失敗をする度に発見があるし、怪我をする度に治そうとかさぶたができて、剥がれて、新たな皮膚が出来る。
何度も何度も糸を解くから、早く解こうとプロ意識が優位となり、痛さを我慢していると、女性の指なのに「サイ」のように一部分の皮膚が硬くなるのだとか・・・。
上手くいかなかった時の経験が糧となり、蓄積されて、手加減として記憶される。
すぐ真似できそうに見えて、やってみると真似できない。
それをかっこいいと呼びたい。
デザイナーは裏方でもお化粧をしてマニキュアを塗ってカッコよくいて欲しい。そんな風に表現することがあります。
昔から作ることが好きな本人にとって、表方・裏方の概念自体がもしかしたら無いのかも知れない。
そんなフラットなチーム山内だからこそ、できる事があるのだと感じています。
世の中的には、小ロット化が進み、大量生産で動いていたアパレルでは若いブランドさんが極小ロットなモノ作りに拍車がかかり、それが業界の癌(ガン)だとも言われています。
また、数着だけを作ろうとするとコストがかさんでしまうため、需要があってもドロップといって、その品番を生産中止にするメーカーがほとんどの中、山内では1着でもドロップはしません。
展示会用サンプルも勿論 "ちゃんと" 作ります。
私達の当たり前が、当たり前ではない事が多く、生地屋さんからもバイヤーさんからも縫製師さんからも、よく疑問を抱かれ質問や相談を受けて、細かい部分のことで連絡を取り合う日々です。
今回のリミテッド企画はまさしく、モノ作りに基盤を置いた "山内らしさ" が詰まっているのではないでしょうか。
山内は常に新作ばかりを発表する珍しいブランドだと、他のブランドのデザイナーさんも不思議がられておりました。
だからこそ、面白味もありますが、今だからこそ《安定的》な品番を見極めるにはうってつけだと閃きました。
「お気に入り」と聞くと響きはいいのですが、その先には着倒してしまう不安とも戦うことになり、着れば着るほどお別れが近づいてしまう悲しさもつきまとう。
【yc=山内 classic】は、古くならないカッコ良さが維持できると判断した場合に殿堂入り品番として与えられますが、yc41・yc55・yc67・yc68など、15年で一握りだけ。
yc21も姿を消しており、伝説となっています。
そこで、今。本人のおすすめの品番を新たに構築しました。
コレクションにも無く、yc(定番)にもないけど、今後定着してもおかしくない「ちょうどいい」を形にしました。
新社屋の引っ越しを目前に、デザイナーが集めていたデッドストックを大放出です。
なので、生地はもう作れないものばかりですが、形は継続が期待ができます。
サイズ感や着心地もこの数年で時代背景が映し出され、変化がありました。
いろんなものを踏まえたいい塩梅に仕上がっておりますので、私自身も欲しいものばかりです。
そして、日本人あるあるの小柄な方、お待たせしました!!
雨降って、地固まる。
変わったこと・変わらないこと、いろんなことがありました。
おうち時間が増え、体を甘やかせていた方も、気持ちを切り替えるいいタイミングではないでしょうか。
「こればっかり着てしまう!」この言葉が出れば大成功だと思っています。
まずは店頭でお試しください。
イベント終了後に、オンラインストアに掲載予定となります。
ただし、数に限りがあります。
コロナが明けて、遠出もしやすくなりました。
マスクが外れても日常の必須となったアレにもこだわりを。
洋服以外の新たなご提案も含めて、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
ささやかながら、5/27(土曜日)・28(日曜日)は夕方よりドリンクサービスをご用意させていただきます。
「ひねり」を加えるために、皆さんにご協力いただきたい事もありますので、既に先約がある方も是非期間中に少しのお時間でもお立ち寄りいただけたらなと思っております。
ある織屋の社長さんがおっしゃった言葉で、大変だけど10年は我慢。10年経過すればちょっといいことがある・・とか。
今この一瞬も大事だけど、この先の未来を創る事も大切。
今後の種まきをしながら、架け橋役となれるように、アトリエスタッフと総出で取り組んでまいります。
モノを作るよりも難しいこと、それは人を作ること。
そこと向き合わなければ、残るモノ作りは完成しません。
「チーム山内」
途中で誰が欠けても今の山内はありません。
慌て過ぎずに、お越しいただけましたら嬉しく思います。
作 / 山内 知