人の手で安定したモノを作る難しさ。

量産時期になると、毎日作業に追われます。

人の手なしに、洋服は完成しません。
機械化が進む中、未だに人が作るのです。

アナログな世界では、一気に作り上げることも、失敗をなかったことにすることさえも出来ません。
コツコツと作り上げ、コツコツとやり直すのみです。

一着作り上げるまでに、何日もかかる作業だと知っている方は何人いらっしゃるでしょうか

洋服は、縫製に取り掛かるまでの工程も、縫製をし終わった後の工程も多くあり、非常に重要な役割が沢山あります。
どれが抜けても、いい洋服は完成しません。

コレクションも同様に、一点だけ素晴らしいモノを作ることより、すべて素晴らしい安定したモノ作りをすることの難しさを痛感します。
それには、自分の内面との闘いに制することが不可欠ではないかと思います。

人間には欲が憑き物で、人が作る服だからこそ、まだまだ精神の修業が足りないなぁと悔しく感じている最中です。

『気遣いを忘れることなく、早く、丁寧に、美しく。』
これは、永遠のテーマな気がしています。

 

作 / 山内 知