縫製職人としての喜び。

量産をスタートして、毎日コートの製作に励んでいます。

コレクション製作時は、やっとの思いで一着仕上がった事に喜びを感じられます。

量産では、オーダーいただいた枚数分製作して行きますが、私の喜びはこれだけの工程量を質を落とさず、如何に早く時間を縮めていけるかがとても楽しみになっています。

早く作り上げることは、良い印象はあまり無いと感じる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、作るにあたって、気を利かせた手間、必要な厚み、色んな思考の元、これだけ手間暇かかる身頃が、

これだけの時間で仕上げられるということが職人の腕の見せ所では無いかと思うのです。

コレクション製作時は必死に仕上げるので、この身頃を量生産するとなればどれだけの日時が掛かるだろうとも不安になったりします。

枚数をこなして行くうちに難しい工程も難なく出来るようになり、費やす時間が縮まることで、更に嬉しさを感じます。

量が多い事で、時に先が少し億劫にになったりもしますが、仕上がった身頃達が肩を並べていると、充実感と恥ずかしながら愛しささえ感じています。

作 / 齋藤