細部
------勝利の女神は細部に宿る------
この言葉は私が学生時代によく聞いた言葉です。
最近、私にはポケット縫いでわからない部分がありました。
それを機に山内さんより直々に、片玉縁ポケット・両玉縁ポケットの縫製の仕方を教えていただく機会がありました。
教科書や本などで調べれば縫い手順はいくらでも出てくると思いますが、綺麗に作るためのポイントだったり、なかなか調べるだけでは知ることのできない事があると私は思います。
実際に縫製にも詳しい山内さんに教えていただいたときも、
アイロンの掛け方や初めの印付けなど、初めの疑問以外にも ''こんな方法で綺麗に仕上がるのか!'' という部分や、ひとつしか方法がないと思っていたポケット口のステッチも二つのパターンが発見できたり、、、
今、元々基本の縫い方は知っていたポケットの部分縫いで、私の疑問解消のためにを教えていただいたこの時間に、これだけのことを発見できたと思うと、もし何かのアイテム1着分縫製士さんの縫いを見せていただく機会があった時、どれだけの発見があるのだろうと、、、もう想像ができません。
それと同時に、縫製士さんの細やかな技術があるからこそ山内のすごく綺麗な洋服が出来上がるのだと思いました。
縫製工場さんなど複数人で縫製をしている方々は、一番技術の高い方が最終的にさまざまパーツを組合せて洋服の形にするそうです。
このことを知った時、どんなに最終的に形にすることが難しい事だったとしても、ポケット縫いやカフスなどの部分縫いが綺麗でなければ、出来上がった洋服も最高と呼べるほど綺麗ではないのではないかと思いました。
この時思い出したのが、''勝利の女神は細部に宿る''です。
私は運動部でした。この言葉をよく言われた場面はルーズボールの時です。どんな状況でもボールを追いかけろ、コートギリギリでもボールを取りに走れ。相手ボールを持たせるな。
私の頭の中に染み付いていたこの言葉ですが、正直なところ走れと言われたら走るという私には、当時それほどこの言葉に対して深く考えることはありませんでした。
スポーツだから勝つ為の''勝利''だと思うのですが、山内の場合は''技術の女神は細部に宿る''ではないでしょうか。山内の縫製をお願いしている方々は、この細部にとてもこだわりを持ってくださっているのだろうなと思います。
山内でモノづくりに関わる事ができたからこそ、この言葉の意味が本当の意味で理解する事ができました。
今回は''縫製''という点でこの''細部''に気付きましたが、生地屋さんや加工屋さんなど、様々な分野でそれぞれに細部があるはずです。
これから、ほんの小さなことや誰もが気にしないような点まで、様々な細部にこだわる事・気づくこと意識していきたいと思います。
作 / 中根