私の居場所。
こんにちは、山内知美です。
7月が始まりました。早速梅雨も明け、40度に近づく予報で、ジリジリと恐ろしい暑さです。
最近ブログのバトンがすぐ返ってくるので、1ヶ月半が早く感じます。
先日は、弊社ギャラリーで「limited event」が行われました。
最近お会いできていなかった方とも再会する事ができて、沢山の方に楽しんでいただき、すこぶる嬉しかった出来事です。
山内では初の非売品(ノベルティー)ということで、何度も販売した方がいいのでは??と言う本気のBAG案になってしまったりして、アトリエでは議論を繰り返していました。
今回のために撮影させていただいた有松での絞り動画・・当日までワクワクが増えるといいなぁとおもむろにYouTubeの開設方法を調べたり、普段なら触れない苦手分野を前に、自然と眉間にシワが寄っていました。
でも、お越しいただいた皆さんの表情を見て、私の心もパッと晴れました。
アトリエを離れたアウェイな場所でも、和やかな雰囲気の現場で、デザイナー本人はカメラマンさんや有松の職人さんとも15年のお付き合い。
私は一歩遅れて10年のお付き合いになります。
お手伝いから始まった当時は、こんなに長くここに携わるとは思ってもいませんでした。
私は根っからの器用貧乏タイプですから、2年も同じ所に居ると、もう大丈夫。と思ってしまうことがほとんどだったため、「山内」が歴代一番長い場所になります。
そしてもっと長くなるんだと思うと驚きです。
ストイックな人って厳しいイメージがあるかも知れませんが、実際に長く一緒に居ると、本当の姿が見えてきます。
要は、「他人」ではなく「自分」と比較しているから、相手には優しいという事。
私は世の中の色々を、勘違いしていたみたいです。
この環境下で過ごした10年間で、結局のところ、基礎の大切さ。基盤の大事さ。
そして、物事を円滑に進めるためには、すべて人付き合いからくる信用で繋がっていることは否めません。
特別な技術を求めたり、スペシャルな1ピースを探したり、そういった事も相手が「人」である以上、それを教えたい「人」なのかどうか。
恐らくそんな地道な繰り返しで、今の【山内】が在るように思います。
無言の中にも向上心があるその道のプロ達に囲まれ、何かを叱られた訳ではなく、勝手に挫折を味わっていた事も、自分自身を成長させてくれた事だと感じています。
運動も勉強も苦手ではなかったし、そつなくこなせてしまっていたからこそ、本物とは雰囲気では誤魔化し切れない物だと分かったし、本気になっても追いつけなかったから危機感も芽生えて、底力も出たんだと思います。
我らはデザイナーズブランドですから、小さなことも常にデザイナーの意思を確認し尊重します。
ですが10年経ってやっと、本人から「頼む」「任せた」という言葉を多くもらえるようになり、責任の重さも感じていますが、本当の “やりがい” が見つけられました。
これは、私一人では到底辿り着けない領域に違いありません。
だからこそ、私が活かせる場所で、「山内」に恩返しをしたいと強く感じています。
来週からまたスタッフが増える中で、各々の強みを発揮して、協調しながらも、自分らしくいられる『居場所』がこのブランドを通して見つけてもらえるよう、これからはチームのサポートをしていきたいと思っています。
控えめながら心を動かすブランド、大変だけど楽しい職場、本物を身近に楽しめるお店。を目指せたらなと考えています。
作 / 山内 知